CDPAリストアワード PART1

環境情報開示を推進する国際NGOのCDPは2022年1月19日にCDPAリスト企業アワードをオンラインで開催した。その主な内容を2回に分けて紹介する。

優秀企業スピーチ

気候変動Aリスト

INDEX(会社名からスピーチ文へリンクしています)

大和ハウス工業株式会社
代表取締役社長/CEO 芳井 敬一氏

このコロナ禍において私たちは自らの使命とは何か、を問い直しあらためて人・まち・暮らしの価値共創グループとしての人々の「生きる」を支えることだと再確認いたしました。気候変動の対応というのはまさに次世代、何よりも未来の子どもたちの「生きる」を支える取り組みだと考えています。大和ハウスグループとしても「やれることはすべてやる」と強い覚悟をもって脱炭素につながる商品やサービスの提供に努めてまいります。

大和ハウスリート投資法人資産運用会社 大和ハウス・アセットマネジメント株式会社
代表取締役社長 土田 耕一氏

気候変動に対応した不動産・投資運用を行っていくことがサステナブルな社会の実現に必要不可欠であると思っております。また本投資法人の基本方針である中長期にわたる安定した収益の確保と資産の着実な成長に資すると考えております。今回Jリート初となる固有物件のGHG排出量を削減割合やCDPなどの外部評価に連動した運用報酬体系を導入いたしました。今後も様々な課題に真摯に取り組んでまいります。

東急不動産ホールディングス株式会社
代表取締役社長 西川 弘典氏

今年発表した長期ビジョン「WE ARE GREEN」では「環境推進と多様なグリーンの力による価値創造」をスローガンに込めております。渋谷再開発などまちづくりでは、気候変動対応が不可欠です。私たちは1998年に環境基本理念を策定し、その後もSBT1.5℃目標、社内炭素税、TCFD開示と取り組んできました。東急不動産では再エネ事業を展開し、自社利用でRE100を2025年に早期達成します。さて、今年ステークホルダーに「未来社会」を加えました。脱炭素社会を実現し、地球の未来世代へバトンをつなぎます。

東京製鐵株式会社
取締役社長 西本 利一氏

皆さまがご存知のように鉄鋼業は全産業の中で最も多いCO2を排出しています。その業界の一角である当社にいただいたAリストにはより重い意味と大きな期待をいただいているものと自覚しております。日本唯一の資源ともいうべき鉄スクラップを電気炉で溶かし、再び鉄鋼製品として蘇らせる。当社のビジネスモデルはCO2削減と資源循環の促進にまさに直結いたします。当社はこれからも気候変動に向き合うトップランナーであるべく歩みを進めてまいります。

戸田建設株式会社
代表取締役会長 今井 雅則氏

我々建設業は、建設工事段階でエネルギーを使用しておりますが、調達資材の低エネルギー、低炭素化への活動も重要だと考えています。一方、当社がお渡しした建物は長年にわたしエネルギーを消費し、温室効果ガスの排出に影響を与えます。だからこそ建物で使用するエネルギーを実質ゼロにするゼロエネルギービル(ZEB)が重要です。現在建設中の当社の新本社ビルは昨年ゼロエネルギービルの認証である「ZEB Ready」を取得しました。この実績と技術をもとに社会全体へのZEBの普及・展開に役立てたいと考えます。今回いただいた高い評価に恥じぬように当社は建設業の環境トップランナーとの自負をもって情報発信と行動を起こし、目標達成に貢献してまいります。

凸版印刷株式会社
代表取締役社長 麿 秀晴氏

凸版印刷では環境課題も重要な経営課題の一つとして位置づけ、様々な施策に取り組んでまいりました。2019年にTCFD提言に賛同した後、提言に基づくシナリオ分析・情報開示を行ってまいりました。TCFDへの継続的な取り組みを通じてさらなる脱炭素社会への貢献と凸版の気候変動に対するレジリエンス強化にもつなげてまいります。これからの“Digital & Sustainable Transformation”をキーコンセプトとし、ワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーの実現に向け、お客様・企業をはじめ皆様とともに取り組みを進めてまいります。

株式会社ニコン
代表取締役 兼 社長執行役員 馬立 稔和氏

ニコングループはサステナブルな社会の構築に貢献するため、脱炭素社会の実現を環境長期ビジョンの一つに位置付けています。また世界がカーボンニュートラルに向けて大きく舵を切ったことを踏まえ、昨年SBTを1.5℃シナリオに引き上げました。持続可能な社会に向けて私たちはコア技術により、ニコンならではの社会価値を創造することで豊かで安全な社会の実現を目指します。そしてScope1、2、3の削減のみならず、社会の気候変動対策にこれからもグループ一丸となって取り組んでまいります。

日本郵船株式会社
代表取締役社長 長澤 仁志氏

当社グループは船舶でのゼロエミッション実現に向け、様々な取り組みを進めており、昨年9月には外航海運事業での長期目標として2050年までのネットゼロエミッション達成を掲げました。この度もAリストに認定いただけたことは日々のグリーンハウスガス削減努力を含め、当社グループ全体での取り組みが評価されたと認識しています。一方、気候変動対策にはステークホルダーの皆様との協力が不可欠と考えています。当社グループではさらにステークホルダーの皆様との取り組みを加速させ、世界のサプライチェーン全体での脱炭素化をリードしてまいります。

株式会社野村総合研究所
代表取締役会長 兼 社長 此本 臣吾氏

世界では自然災害、人権侵害など様々な社会問題が発生しています。企業の事業活動や人々の生活行動を変えていく必要があります。そこではデジタル技術が重要な役割を果たすと考えています。デジタルは社会のパラダイム変革を起こしうると言っても良いでしょう。野村総合研究所はコンサルティングとITソリューションの双方の機能を併せ持つ強みを発揮して、様々なパートナーと共創しながら社会課題を解決することでこれからも持続可能な未来社会づくりに貢献していきます。

野村ホールディングス株式会社
代表執行役社長 グループCEO 奥田 健太郎氏

社会課題の解決を通じた持続的成長の実現という経営ビジョンのもと、私たちは金融サービスグループとしての総合力を発揮し、お客様をはじめとするステークホルダーのサステナビリティへの取り組みをサポートしてまいります。また当社自身がサステナブルな存在であり続けるため、環境負荷低減にも取り組みを続けていきます。9月には温室効果ガス排出量のネットゼロ、サステナブルファイナンスの目標額を公表いたしました。今後とも持続的な成長の実現に向けて努力を続けてまいります。

富士電機株式会社
代表取締役副社長 菅井 賢三氏

当社は経営方針にエネルギー環境事業で持続可能な社会の実現に貢献することを掲げ、パワー半導体、パワーエレクトロニクス機器、地熱、水力など再生可能エネルギー発電でエネルギーの安定供給と省エネを提供し、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。さらにTCFDに賛同表明し、情報開示に積極的に取り組んでいます。パンデミックや気候変動、課題は多々ありますが困難を乗り越え、明るい未来に向け、共に頑張りましょう。

古河電気工業株式会社
代表取締役社長 小林 敬一氏

弊社は情報通信・エネルギー・自動車・エレクトロニクス等様々な事業をグローバルに展開する中で自然災害により被災した経験から気候変動対応の重要性を強く感じており、2021年に環境ビジョン2050でカーボンニュートラルを宣言いたしました。自社の温室効果ガス削減に加え、再生可能エネルギー活用に貢献する新しい電池の開発、メタン等をLPG化する技術の活用など事業活動を通じても持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

三井不動産株式会社
代表取締役社長 菰田 正信氏

気候変動への対応は、社会基盤の構築、発展を担う当社グループの社会的責務であり、脱炭素社会の実現はその最重要課題であります。今回の受賞は、その認識のもと従来から取り組んできた当社の姿勢が評価されたものと考えております。この取り組みを一層、強化・加速するべく今般、脱炭素社会の実現に向けたグループ行動計画を策定いたしました。今後はグループ一丸となってこの行動計画をしっかりと実行に移し、ステークホルダーの皆様とともにサプライチェーン全体で脱炭素社会の実現に貢献してまいる所存でございます。

三菱電機株式会社
執行役社長 漆間 啓氏

三菱電機グループは脱炭素社会の実現に向けてバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を2050年に実質ゼロにするという目標を掲げました。当社だけでなく、お客様やサプライヤーを含む世の中全体の脱炭素化を進めるために生産現場の変革や高効率の製品、サービスの提供、さらに再生可能エネルギーを活用する先進的な社会インフラの実現に全従業員が情熱を持ち、たゆまぬ技術革新と限りない創造力で挑戦してまいります。

株式会社村田製作所
代表取締役社長 中島 規巨氏

当社は気候変動対策の強化をマテリアリティに設定し、GHG排出量の削減目標達成に向けた省エネ活動、当社の蓄電池も活用した再エネ利用促進に取り組んでいます。2020年にTCFDに賛同。RE100に加盟し気候変動に関する事業のリスクと機会を分析・開示し、環境経営を推進していきます。当社は持続可能な社会の実現に向け、独自の製品や技術を通して社会課題の解決に貢献し経済価値と社会価値の好循環を実現します。

ヤマハ株式会社
取締役 代表執行役社長 中田 卓也氏

当社グループは「感動を・ともに・創る」を企業理念とし、健全で透明性の高い経営と社会・環境に調和した事業活動を目指しています。昨年9月には1.5℃を前提としたSBTの認証を取得し、温室効果ガス排出削減の取り組みを進めています。またTCFD提言に基づいたシナリオ分析を実施し、気候変動に対するレジリエンスの強化に取り組むと共に認証木材の使用や植林の活動を積極的に進めるなど脱炭素経営に向けたアクションを着実に推進しています。当社はカーボンニュートラル社会の実現に向けてステークホルダーの皆様と共に全力でチャレンジしてまいります。

株式会社リコー
代表取締役 社長執行役員 CEO 山下 良則氏

現在リコーはデジタルサービスの会社への転換を進めながら、社会課題解決による持続的な利用価値向上を経営の根幹に据え、取り組みを加速させています。特に気候変動の分野では日本企業としてはじめてRE100に参加表明し、再生可能エネルギー活用については再エネ総合評価制度を導入し、2021年4月に本社ビルの電力をすべて再エネに切り替えました。国内でオンサイトPPAを導入するなど全社一丸となって様々なチャレンジを続けています。リコーは今後も気候危機へ対処すべく脱炭素社会の実現に貢献してまいります。