CDPAリストアワード PART2

環境情報開示を推進する国際NGOのCDPは2022年1月19日にCDPAリスト企業アワードをオンラインで開催した。PART1で紹介できなかった優秀企業スピーチを紹介する。

優秀企業スピーチ

トリプルAリスト(気候変動・水セキュリティ・フォレスト)

INDEX(会社名からスピーチ文へリンクしています)

花王株式会社
代表取締役 社長執行役員 長谷部 佳宏 氏

花王は今、Sustainability as the Only Pathをビジョンに掲げています。またその達成にむけてESG戦略「Kirei LifestylePlan」を展開し、事業と一体化したESG活動を推し進めています。2003年以来、CDPに参加することで社会や投資家の期待を的確に把握し、理解を深め、まちがいなく活動を進化させることができていると感じています。今日はトリプルAという栄誉をいただきましたので気候変動、水セキュリティ、森林の3つについて少しお話をさせてください。2021年は気候変動においては2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブを目指すという長期目標を設定、公表し、新たな脱炭素目標を設定開始しました。バリューチェーン全体でCO2排出をいかに制限していくかに取り組みますし、CO2をリサイクルし、原料にし、それによって商品にするという新しいチャレンジ・技術開発を進めてまいります。次に水ですが水は花王にとって切っても切り離すことのできない存在です。花王が目指す「Kirei LifestylePlan」を実現するためには清潔・衛生をお届けする商品は欠かすことができません。水使用が抑えられながら、良い価値をお届けできる商品を開発してまいります。サステナブルな水の活用を社会全体に広げてまいります。最後に森林ですが花王の原料の主原料となるパーム油、または紙パルプを生み出す森林への取り組みは環境・社会面の両面でしっかりと実行していかなければなりません。2021年は「SMILE」というパーム油の小規模農園経営をインドネシアでスタートさせました。またこの課題も花王一社では到底解決することはできません。サプライチェーン全体でサステナブルな社会を実現するために誰もが同じ目線で活動することが重要です。昨年はサプライチェーン、ESGガイドラインを新たに策定し、サプライチェーン全体への働きかけや第三者監査への取り組みを強化いたします。花王の「「Kirei Lifestyleプラン」は誰一人取り残すことなく、環境を守りながら、より良い社会をつくっていくことを目指しているものです。大Kの仲間とその実現に向かって進むことをお約束させてください。CDPの提供するプラットフォームを最大限、活用させていただきながら今日、お集まりの皆様をはじめ、すべてのステークホルダーとともに心豊かな共生社会の実現を目指してまいりたいと思います。

不二製油グループ本社株式会社
代表取締役社長最高経営責任者 酒井 幹夫 氏

私どもはパーム油、カカオ、大豆を原料に植物性油脂、業務用チョコレート、大豆加工素材などをグローバルに展開するBtoBメーカーですが1950 年の創業当時より地球と人の健康、そして食の喜びを追求してまいりました。一方、これらの主原料は森林破壊や生物多様性の損失、人権問題が指摘されており、特にコロナによって気候危機への対応、サプライチェーンへの強靭化が喫緊の課題となっていることは皆様ご承知の通りです。不二製油は、こうした問題にかねてより真摯に向き合い、2016年から持続可能な原料調達に取り組みはじめました。パーム油は2030年までに農園までのトレーサビリティ100%、カカオは児童労働の撤廃、大豆はコミュニティレベルまでのトレーサビリティを目標とし、サプライヤーやNPOと協同で環境保全や労働環境の改善に取り組んでおります。自社グループの生産においても2030年目標達成に向けCO2の排出、水の使用量、並びに廃棄物の削減を推進しており、またPCFDフレームワークに基づき、気候変動リスクと機会への対応、ガバナンスの強化、より充実した情報開示を進めています。今、私たちは食料システムの変革という大きな課題に直面しています。食で命を守るエッセンシャル企業としてサステナブルな植物原料の持つ力をこれまで培った油脂とタンパクの技術で最大限に引き出し、未来につながる美味しさと健康をつくるプラントベースドソリューションをイノベーティブなパートナーシップで世界に広げ、持続可能な社会の実現に務めてまいります。