SDGsに向けた国連大学の取り組み
〜これからの民間企業との連携〜

竹本 和彦 氏
国連大学
サステイナビリティ高等研究所
所長
SDGs達成に向けた国際社会の取り組み
SDGs達成に向けた内外の取り組み、そして国連大学でどのような取り組みをしているのかを、簡単にご紹介したいと思います。
まずは内外の取り組みです。2015年にSDGsが決定されましたが、その背景としてMDGsで積み残された課題への対応、また地球システムの限界について世界的に共有されました。
そして幅広いステークホルダー、特に企業を取り込んだ意思決定がされたところでございます。
国際社会における取組みとしては、毎年7月にニューヨークの国連本部で世界の加盟国が集い、「ハイレベル政治フォーラム」(HLPF)が開催され、実施状況のレヴューを行っています。またアジア太平洋地域においては、UNEPのアジア太平洋地域事務所やESCAPを中心に地域レベルの取り組みも活発になっています。
我が国におけるSDGs達成への動き
我が国は、2016年の5月に推進本部が設立され、同年末には「SDGs実施指針」、また昨年には「SDGsアクションプラン」が策定され、さらに「ジャパンSDGsアワード」が創設され、第1回目の表彰が2017年12月に実施されました。また「第5次環境基本計画」もSDGsの考え方を反映した案が既に公表されており、今春の閣議決定を目指しています。
また、内閣府の地域創生推進事務局におきましては、ちょうど「SDGs未来都市」の公募が始まっております。その中で、先進的な取組みを支援していく枠組も整備されています。この枠組では、地方公共団体単独でやるのではなく、企業や市民の皆さんと連携をして取り組んでいるところについて、積極的に奨励をしていこうというものです。
また経済界においても昨年11月に経団連が「企業行動憲章」を改訂し、SDGsの達成を柱としていく大きな方向性を明らかにしています。今後はこの方向に基づいて各企業がいろいろな取り組みを展開されることを期待しています。