「地上資源経済圏」の創出を目指して
日本環境設計 会長 岩元美智彦氏に聞くサーキュラーエコノミーの考え方

 その経済効果は2030年までに4・5兆ドルに上ると報告されているサーキュラーエコノミー。過去250年にわたる資本主義の歴史における最大の革命とも言われ、気候変動やプラスチック海洋汚染等に対して、様々なイノベーションが試みられる中で注目すべきビジネスモデルの変換として期待されている。
 そういった背景の中、日本環境設計株式会社の岩元会長にインタビュー。その強いインパクトを持つ事業活動や今後の循環型社会の在り方などを伺った。

地上資源で安定した商品を作る

――まず、日本環境設計を立ち上げた理由をお聞かせください。

岩元 消費者が循環型社会に関わり、消費者中心の循環型社会を自らで創ろうということで起業しました。
 消費者が何をリサイクルしたいか、あるいは、それをどこでリサイクルできるのが便利かなどをリサーチした結果、一つの方向が見えてきました。その結果、リサイクルしたいものを技術で循環させ、消費者の買った店に使わなくなったものの回収ボックスを置くことで皆が参加していく、という仕組みづくりがあれば理想的だと考えるようになったのです。
 もちろん回収だけが整備されていても循環型社会をつくることはできません。私たちは、モノの循環を支える技術の中でも、ケミカルリサイクルという化学的な処理により、モノが再生し続ける可能性を大きく広げる技術を有しています。
 その技術は、ポリエチレンテレフタレートと呼ばれる、私たちの生活の中では主に服のポリエステル繊維とペットボトルの原材料として活用されている素材を、分子構造を解いて精製することで継続してリサイクルできる特徴があります。石油からモノづくりをするのではなく、このケミカルリサイクルを通したモノづくりを実現できれば、石油に頼らない製造の在り方を示すことができます。
 われわれは、すでにわたしたちの手元に存在しているリサイクルや再生可能な資源を地上資源と呼んでいます。石油などの地下資源を使わず、地上資源で安定した商品原材料ができると、メーカーは安心してその原材料を使って商品を開発でき、結果、店頭には地上資源でできた循環型商品が並び、経済も循環していきます。

経済や環境、平和に貢献するサーキュラーエコノミー

――このような事業が他社とちがうのは、どのようなところでしょうか。

岩元 プラットフォームを非常に大事にし、技術だけではなくて仕組みを持っているところです。
 今までリサイクル品の回収に関して、メーカーや小売店はバラバラでした。そのため、回収スキームを組み立てて、それを横で繋いでいったわけです。
 こういうプラットフォームがあると多くの企業が参加しやすくなります。また消費者も安心してリサイクルに取り組みことができるでしょう。だからこそ、プラットフォームを大事にしたのです。こういった流れを社会に展開することで地上資源の経済圏を創ろうと考えています。
 地上資源の完全循環ができればその中でさらに技術におカネが投資され、より良い原材料が生まれ、たくさんのメーカーが参加するという良い連鎖も生まれてくることでしょう。地下資源だけに頼る必要がないので、その争奪紛争は起こりにくくなるのではないでしょうか。
 そうするとさらに経済は活発に回り、買えば買うほどCO2の削減にもつながると考えています。そんな経済や環境、平和という「三方良し」の社会の実現を目指し、さらに我々がそのハブになろうと考えたわけです。
 地上資源がスムーズに循環していくためには、循環のスタイルを消費者に浸透させたり、回収方法を統一したり、技術開発では、素材づくりとその先にある商品づくりの各企業が信頼して扱えるような原材料を製造することが求められます。これらのどれが欠けていても回らないのです。しかし、逆に回り始めるとより多くの方が参加するようになっていきます。当社は、この全体の循環ということを視野にいれ、ハブとして活動してきました。

消費者をどのように参加させるかが非常に重要だと考えています。

消費者を巻き込んだ活動は今、大きなうねりになろうとしています。