「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」
日本プロジェクト始動

イオン株式会社

 イオン株式会社(以下イオン)は、世界各地の小売企業等とともに参画する「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」の日本プロジェクトを国内の食品メーカー等21社と共に始動。その記者発表を2019年12月11日に都内で行った。

健全で持続可能な社会を次代に引き継ぐために

 同イニシアティブは、地球環境と開発に関する政策研究・技術開発を行う米国のシンクタンク World Resources Institute(WRI)※の呼びかけのもと、サプライチェーン全体で食品廃棄物の半減を目指すもの。「10×20×30」とは、世界の大手小売業等「10社」が、それぞれの「20社」のサプライヤーとともに、「2030年」までに主要サプライヤーの食品廃棄物の半減に取り組むということを象徴的に表したものだ。さらに削減の取り組みをサプライチェーン全体に波及させることを目指して協働していく。
 この国際的なイニシアティブが9月24日に発足したことを受け、イオンは、アジア唯一の参画小売企業として、日本でのプロジェクトを始動すべく準備に着手。 今回、同プロジェクトの取り組み主旨に賛同し、参加する食品メーカー等21社がWRIの承認を経て決定し、活動を開始した。
 記者発表では、まずイオン執行役 商品・物流担当の柴田英二氏が登壇した。持続可能な地球を子どもや孫の代に引き継いでいくために、今立ち上がるべき時であり、その中で取り組まなければいけない課題に食品ロスと食品廃棄物の削減があることを強調。不退転の意志と決意で臨んでいきたいと語った。

~WRIからのメッセージ~
小売とサプライヤーが連携して取り組むことに意義

 続いてWRI副所長クレイグ・ハンソン氏がビデオで登場。次のようなメッセージが送られた。
 世界の3分の1の食品が農場から食卓に届くまでに捨てられ、経済的には1兆ドルの損失となっている。そして、環境問題的にはその生産過程で多くのCO2が排出されている。一方、9人に1人が飢餓で苦しんでいる。そのような中、幸いにもSDGsが策定された。SDGsの目標のひとつに食品ロスと廃棄を2030年までに半減させようというものがある。民間企業には、この目標を達成するために取り組む使命がある。なぜなら、世界中の食品の大半は企業を通して、人々の食卓に届けられているからだ。
 では企業にできることは何か。イオンのような小売業は自社の店内で発生する食品ロスを減らすことができる。しかし、食品を生産・加工するサプライヤーの段階、つまりサプライチェーンの上流で、もっと多くの食品ロスと廃棄が生じていることがわかっている。
 そのため、小売業とサプライヤーが連携し、双方の現場で食品ロスを削減していくことが重要となる。そこで始動したのが、小売業「10社」がそれぞれの「20社」のサプライヤーと共に「2030年」までに食品廃棄の半減に取り組んでいく 「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」日本プロジェクトだ。イオンは既にサプライヤー21社と協働に向けた活動を開始している。
 このプロジェクトに参画するイオンとサプライヤーは、(A)削減目標に準拠した目標の設定、(B)自社の食品ロスと廃棄の現状の算定、(C)実際に行動する、という手法で目標達成に向けて取り組む。

サプライチェーン全体で食品廃棄物削減を推進

 さらに記者発表では同イニシアティブの概要について、イオン執行役環境・社会貢献・PR・IR担当の三宅香氏が以下のように説明した。
 SDGsのターゲット12「つくる責任つかう責任」では、2030年までに世界全体の1人当たりの食料廃棄を半減させ、収穫後の損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させることが掲げられている。食品ロス・廃棄物についてグローバル・データを分析すると、北半球では消費段階で、南半球では生産段階とその処理保管段階で多く発生している。このため、Farm(生産段階) to Fork(消費段階)という視点、即ち第一次産業を含めたサプライチェーン全体の視点での対策が重要となる。
 イオンでは「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」に参画。2030年までに参加サプライヤーと共に、食品ロス・廃棄物半減のためにアクションを起こし、この動きをさらにサプライチェーン全体へ波及させていくことを目指している。
 プロジェクトでは、WRIがコーディネーター役となり専門家を招聘し、「目標設定―現状算定―行動」のアプローチについて、小売業及びサプライヤー向けのセミナーなども実施される予定である。また、イギリスのTesco社とその27社のサプライヤーがWRIと連携し、2018年に先行して取り組んできた内容と実績が公表されている。こうした機会やツールも活用し、食品メーカーなど21社と共に生産から販売、消費まで含めてどのようにすれば食品ロスを減らしていけるかを考えていきたい。

参画企業が取り組み事例を紹介

 記者発表では、日本プロジェクトに参画する食費品メーカーを代表し、2社が取り組みを発表した。伊藤ハムグループのサラダ・惣菜の製造委託、販売を統括管理するイトウフレッシュサラダ株式会社が生産部門、仕入れ食品加工工場での取り組みを紹介。キユーピー株式会社は卵殻を水田の土壌改良剤に活用する事例や、カット野菜の未利用部分の活用方法などについて説明した。