日本一ゴミの出ない大学プロジェクト トーガクノミライヲカエヨウ 東洋学園大学

2022.5.11 掲載

大学のゴミ箱にあふれるペットボトルやレジ袋などのゴミ。これらを減らすために、自分たちにできることってなんだろう――?そんなテーマを探求するべく、東洋学園大学 現代経営学部の有志学生6名が日本一ゴミの出ない大学プロジェクト ~トーガクノミライヲカエヨウ~(通称“ゴミプロ”)」を立ち上げた。

“ゴミプロ”始動のきっかけは?

“ゴミプロ”の発端は、同大学 現代経営学部「新商品開発ゼミ」(安藤拓生准教授)の授業となる。このゼミでは昨年、「大学施設のデザイン」をテーマにした研究を実施。ゼミ生たちはエンカウンターラウンジ(4・5号館新エントランス)の活用アイデアを考案し、本学の広報室職員や施設課職員に向けてプレゼンテーションを行った。

そこでは、同授業をきっかけに「提案するだけでなく、具体的なプロジェクトに取り組んでみたい」と4名の4年生(当時3年生)が意欲を見せ、手を挙げた。さらに、同学部の3年生(当時2年生)2名も「先輩たちと一緒に何かやってみたい」と加わり、計6名でプロジェクトチームを結成することになった。

メンバーたちがまず取り組んだのは、「具体的にどんなプロジェクトを実行するか」という話し合い。広報室職員も交えて週1回のミーティングを重ねる中で、メンバーの多くが環境問題やSDGsに関心を持っていることがわかった。そこで、活動のメインテーマを「ゴミの削減」に設定し、手始めに「自分たちの大学のゴミ」について調査することに。施設課の職員に話を聞き、大学で出るゴミの量や処理費用が想像以上に多いことを知ったメンバーたちは、「身近な大学のゴミを減らすことから始めよう!」と一致団結。そして、「日本一ゴミの出ない大学プロジェクト ~トーガクノミライヲカエヨウ~」=通称“ゴミプロ”と題したプロジェクトが始動することになった。プロジェクト名の通り、目標は「TOGAKUを日本一ゴミの出ない大学にする」こと。将来的には、「学生たちがゴミ削減に取り組む→ゴミ処理費用を削減→削減分を学生たちに還元」という仕組みを構築していきたいと考えている。

2021年3月にリニューアルしたエンカウンターラウンジ

2021年3月にリニューアルしたエンカウンターラウンジ

プロジェクト内容ついて議論するメンバーたち

プロジェクト内容ついて議論するメンバーたち

大学のゴミの実態を調査することからスタート

大学のゴミの実態を調査することからスタート

ポスター&CMで認知度アップへ!

“ゴミプロ”発足後、メンバーたちは「自分たちの存在や活動について広くPRすることが先決」と、まずはプロモーションのためのポスター&CM制作に力を注ぐ。ポスターは、メンバー各自のゴミ問題に対する考えや伝えたいことを落とし込み、6人6通りの内容に。「どのようにアプローチすれば見る人が興味を持ってくれるか」を意識してメッセージやデザインを考え、何度も練り直し、要素を絞り込んでいった。

同じ学生の目線で呼びかけることで、ポスターを見た学生が「自分もやってみようかな」と実践したり、ハッと気づいたりするきっかけになってほしい――。そんな想いを込めて制作された6種類のポスターは、新学期から学内各所に掲示されている。

CMも自分たちで絵コンテを作成し、メンバーそれぞれの個性や想いが伝わる演出に。
6人それぞれのパートをつなげ、ナレーションを入れたCMは、約3分にも及ぶ大作に。今後、学内4か所に設置されているデジタルサイネージなどで流す予定だ。

プロジェクトにかけるメンバーの想い

多忙な大学生活の合間を縫って、“ゴミプロ”の活動に取り組む6人のメンバーたち。どんな想いで参加しているのか、また、活動を通じてどのような学びや気づきがあったかのだろうか。あるメンバーは「以前から大学でゴミ箱を目にするたびに『ゴミの量が多いな』と感じていて、『大学ではどんなゴミが出ているんだろう』、『処理にはどれくらいのお金がかかるんだろう』と気になっていました。“ゴミプロ”の活動を通じて、そういう身近な疑問を調査したり、さらには世界がどんなゴミ問題を抱えているかを学んだりしています。ゴミ問題は、自分が生きていくうえで永遠に切り離せない問題なので、深く学ぶ機会を得られてよかったです」と語る。

また別のメンバーは「当初はゴミ問題についてあまり興味がなかったのですが、活動を通じて『ゴミを減らすといいことがある!』と気づき、やる気が湧いてきました。自分は動物が好きなので、『ゴミを減らせば野生動物たちが生きる環境も守れる』という気持ちがモチベーションになっています。“ゴミプロ”の活動は学生が主体となって企画を考えるので、企画のプロセスを学ぶいい機会にもなっています。この経験を活かして、将来は企画に関わる仕事に就きたいです」と話す。個性豊かな6人のメンバーが、それぞれに熱い想いを持って取り組む“ゴミプロ”。近いうちに「ゴミを減らすゴミ箱」のアイデアコンテストなども開催する予定だ。