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レゴグループが2020年から3年間で最大4億ドルをサステナビリティへの取り組みへ投資

2025 年までにすべてのパッケージを持続可能なものに

 レゴグループは、次世代のためのより良い環境を構築するために、「子どもたちへの貢献」や「循環性」、「持続可能な素材」、「廃棄物ゼロとカーボンニュートラルへの取り組み」、「パートナーとの協力によって生み出す良い影響」といったサステナビリティコミットメントの取り組みを推進。それらを加速するために継続的なコストと長期的な投資に最大4 億ドルを拠出する計画を2020年9月に発表した。
 その一環として同グループは2025 年までにすべてのパッケージを持続可能なものに変える活動を展開していく。そこで2021 年からはForest Stewardship Council 認定のリサイクル可能な紙袋が試用。その後、レゴの製品ボックスに入っている使い捨てのビニール袋を段階的に廃止していくこととなる。
 従来から使われてきたパッケージを変更することは容易なことではない。また新しい材料に替えるには耐久性があり、かつ軽量で、レゴの構築体験の向上が求められ、その検証や実用化には時間を要するだろう。そのために同グループではこれまでに何百人もの親子の協力を得て、いくつかのプロトタイプでテストを実施。結果として2021 年に試用される紙袋は、環境に優しく、開けやすく、子どもたちが気に入ったものとなる。
 このパッケージの試用について同グループ CEO ニールス・B・クリスチャンセンは「環境について子どもたちから、使い捨てのプラスチックパッケージを廃止してほしいという手紙をたくさんもらいました。すでに私たちは、代替案を模索していましたが、子どもたちからの情熱とアイデアがさらに私たちを後押ししてくれました」と語っている。

レゴグループに届いた子どもからの手紙レゴグループに届いた子どもからの手紙

使用済みペットボトルなどリサイクル素材のブロックを開発

 さらにレゴグループは4億ドルの投資の一環としてリサイクル素材を使用したブロックの開発を推進。2021 年 6 月 23 日に使用済みペットボトルを再利用したレゴ®ブロックの試作品を公開した。これは同グループとして初めての取り組みとなり、「2030 年までにレゴの全てのパーツを持続可能な資源由来のプラスチックにする」という目標における最新のステップとなる。
 この新しい試作品は、廃棄された飲料用ペットボトルのプラスチックを使用しており、既存のレゴ®ブロックに課してきた極めて厳しい品質と安全性の要件を満たしている。また、米国食品医薬品局(FDA)および欧州食品安全機関(EFSA)の承認を受けた米国のサプライヤーから調達した再生プラスチックを使用。平均して1リットルのペットボトルからは、2×4 のレゴ®ブロック 10 個分の原材料が得られることとなる。尚、今回の発表はあくまで試作品であり、製品化に対しては品質テストや開発作業が実施されていく。

 同グループには、子どもたちから環境に配慮した持続可能な素材の使用を望む声が多く寄せられている。そこでレゴのファンとサステナビリティへの取り組みの進捗を共有したいとの思いから、最新の開発成果として、使用済みペットボトルを再利用したブロックの開発を公表することに至った。
 試作品は、デンマークのビルンにあるレゴグループ本社のサステナブル・マテリアル・チームによって開発。レゴ®ブロックの持続可能なソリューションを見つけるために、150 人以上のチームが活動し、材料科学者とエンジニアは、過去 3 年間で 250 種類以上の PET 素材のバリエーションと、数百種類のプラスチックの配合をテストした。その結果、求める品質、安全性、強度を含む厳正な要件を満たす試作品が完成した。この結果を得るために特許出願中の独自の材料プロセスを生み出している。
 研究チームは、今後、色の追加、さまざまな形状のテスト、成型時の品質テストなど、さらなる開発作業を行い、パイロット生産段階に移行するかを決定。このテストには、最短でも1 年は要すると予想している。また、新しい素材を使用するには、必要な量の原材料を調達できるかどうかを確認する必要がある。しかし、同グループはこれが可能であると確信しており、長期的な供給の確保に向けて引き続き取り組んでいく。

研究風景研究風景

SDGsの目標達成に取り組むレゴグループ

 レゴグループ 環境責任 兼 サステナブル・マテリアルズ・センター ヴァイスプレジデント ティム・ブルックスは、今回の試作品の公開について「私たちは、この画期的な成果にとても興奮しています。サステナビリティへの道のりにおける最大の課題は、既存のブロックと同様に耐久性、強度、品質に優れ、過去 60 年以上にわたって作られてきたレゴの要素に適合する新素材を再考し、革新することです。
 子どもたちは環境に関心を持ち、製品をより持続可能なものにすることを望んでいます。子どもたちが再生プラスチックを使ったブロックで遊べるようになるまでにはまだ時間がかかりますが、私たちが取り組んでいることを子どもたちに伝え、実現までの道のりを一緒に歩んでもらいたいと思っています。実験や失敗は、学習やイノベーションの重要な要素です。子どもたちが家でレゴ®ブロックを使って組み立てたり、崩したり、組み換えたりするように、私たちも研究所で同じことをしているのです。
 私たちの製品は、遊び心を刺激するだけでなく、使用する素材によっても、地球に良い影響を与えたいと考えています。私たちの旅にはまだ長い道のりがありますが、前進していることに満足しています」と話す。
 同グループでは、こういったリサイクル素材を使用したブロックや持続可能なパッケージ開発の他に今後も最大 4 億ドルの投資を、循環経済やカーボンニュートラルの達成などに対して行っていく。この活動は、SDGsの17の目標の中の2つである「#4 質の高い教育をみんなに」と「#12 つくる責任とつかう責任」に対応した、意義ある変化を促進していくことになるだろう。

使用済みペットボトルを再利用したレゴ(R)ブロックの試作品使用済みペットボトルを再利用したレゴ(R)ブロックの試作品