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日本初、「新TODAビル」において建物全体でのZEB Ready取得 戸田建設(株)新社屋「新TODAビル」におけるZEB認証取得

 戸田建設株式会社は、東京都中央区京橋1丁目にて建設中の新社屋「新TODAビル」において、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)による建築物全体評価※2にて最高ランクである★5つ及び「ZEB Ready」認証を9月6日付で取得した。
 なお、超高層複合用途ビル※3における建物全体での「ZEB Ready」認証取得は本件が日本初となる。
※1(一社)住宅性能評価・表示協会ホームページ、BELS事例データ一覧による(2021年8月末時点)※2 エネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)Ver.3.0.1(WEBPRO)を使用※3 建物高さ150m以上の複合用途ビル

  • 完成予想パース(外観)図1 完成予想パース(外観)

  • ZEB Ready認証ラベル図2 ZEB Ready認証ラベル

ZEB Ready」の定義について

 ZEB(Net Zero Energy Building)とは環境省の用語定義により「先進的な建築設計によるエネルギー負荷の抑制やパッシブ技術の採用による自然エネルギーの積極的な活用、高効率な設備システムの導入等により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物」を示す。
 中でも、「ZEB Ready」は「ZEBを見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた建築物」を指しており、再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から、50%以上の一次エネルギー消費量を削減した建築物を示す。

ZEB概念図図3 ZEB概念図

ZEB Ready取得に向けた取り組み等

同物件の「ZEB Ready」認証取得に向けた、建築的・設備的取り組みついて代表的なものが下記となる。

1. 建築的取り組み
建築的取り組みとしては、外壁の大部分を占める基準階外周部において、1.8mピッチで大小の縦フィンを配置すると共に、南北にはバルコニー・庇を設ける事により、日射負荷抑制を図っている。また、高性能Low-E複層ガラスの採用・上下別動制御の電動ブラインドの採用等により、外皮負荷低減と、有効受光の両立を図っている。

2. 設備的取り組み
設備的取り組みとしては、コージェネレーション設備700kW×2台を当ビル用に7階熱源機械室に設置、常用電力供給とともにその廃熱を吸収式熱源機熱源、熱交換器温水熱源、職域食堂(13階)の給湯に利用し、熱の高効率運用を行っている。また、屋上に水素蓄電設備を併用した太陽光発電パネル50kWを配置し自然エネルギーの取込みとその有効配電を実現。その他の設備においても高効率機器を多数採用し 、換気における全熱交換器の導入・インバーターによる適時適量制御の導入により根本的な消費エネルギーの大幅な削減を図っている。 本件の詳細な省エネルギー計算結果は、今後、一般社団法人住宅性能評価・表示協会のポータルサイト内ZEB事例に記載されている。
(サイトURL:https://bels.hyoukakyoukai.or.jp/cases)

3. 運用段階での予測
 同物件は、「ZEB Ready」認証取得達成に寄与したWEBPRO評価技術の他に認証取得時の数値には反映されない、未評価技術も多数採用している。主な技術としては外装縦フィンからの外気導入と中央吹抜部を活用した自然換気システム・事務室系統の潜顕分離空調システム・山留鉄骨に併設した地中熱取得配管を利用したヒートポンプシステム・空調一次ポンプの変流量制御・冷却塔ファンインバーター制御・CO2濃度外気量制御他、これらの様々なWEBPRO未評価技術を採用しており、実運用では、今回の「ZEB Ready」認証取得数値を更に上回る削減量が達成可能と考える。

戸田建設の地球環境への取組みと今後について

 同社では世界の「1.5°C目標」達成に向け、ZEBの普及と共に、2010年よりエコ・ファースト企業として環境課題の解決に取り組んできた。2017年にCO2削減目標のSBT※4認定を取得し、さらに2019年にはRE100イニシアチブ※5へ加盟し、事業活動におけるCO2排出量の削減、そして再生可能エネルギーの利用を推進している。
また、同物件では今後、運用・技術の両面においてさらなる省エネ、CO2削減性能の向上に取り組み、ZEBの普及に貢献していく。※4 Science Based Targetsの略。パリ協定達成のための科学的知見と整合したCO2排出削減目標※5 事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が参加する国際企業イニシアチブ

  • 図4 各種ロゴマーク(左から エコ・ファースト企業認定/RE100/SBT認定/CDP A list企業選定)図4 各種ロゴマーク(左から エコ・ファースト企業認定/RE100/SBT認定/CDP A list企業選定)

  • 図5 中央通り側広場外観イメージパース図5 中央通り側広場外観イメージパース

<物件概要>
工事名称:(仮称)新TODAビル計画 新築工事
所在地:東京都中央区京橋1丁目7番1号
敷地面積:6,147.44㎡/建築面積:約4,680㎡/延床面積:約94,800㎡
建物高さ:約165m
容積率:1,300%
構造:RC造(コアウォール構造)、S造・CFT造・SRC造・免震構造/階数:地上28階、地下3階
用途:事務所・集会場・美術館・物販店舗・飲食店舗・自動車車庫
設計:戸田建設(株)一級建築士事務所
施工:戸田建設(株)東京支店

<新TODAビル建物概要>
 同計画は、都市再生特別地区京橋一丁目東地区として2016年3月に都市計画決定を受け、「まちに開かれた、芸術・文化拠点の形成」「街区再編、防災対応力の強化、環境負荷低減」を目指した超高層複合用途ビルとなる。
 芸術・文化拠点の形成として、低層部の1階に店舗兼情報発信施設、3階に若手芸術家の育成創作活動拠点、4.5階に情報発信施設としてのカンファレンス機能(大ホール380人規模・小ホール220人規模)、6階に美術館(約1200㎡のギャラリー空間)を有し、8階から上部は、1フロア当たり、約2400㎡(約720坪)の事務所用途となっている。
 省エネルギー技術に限らず、当ビルではコアウォール免震構造を採用し、非常に高い安心安全を提供し、また、72時間の機能維持可能な非常用発電機の他にコージェネレーション設備を有する事により、高いBCPを有している。
 上記を含む様々な要素から、ユーザーへの付加価値を提供し、Art&Wellnessをテーマとした、建物全体で未来志向の働き方が実現できるオフィスの構築に取り組んでいく。