持続可能な容器包装の実現に向けた目標「容器包装2030」の達成を目指し大型ペットボトルにケミカルリサイクルによる再生PET樹脂を使用 2022年4月より生産開始予定

 グリーン購入ネットワーク(事務局:東京都千代田区 会長:梅田靖)では、「持続可能な調達」を通じて、グリーン市場の拡大に貢献した取り組みやSDGsの目標達成に寄与する取り組みを表彰する「第22回グリーン購入大賞」の受賞団体を以下のとおり決定した。
 なお、表彰式は12月15日(水)10時より、コングレスクエア日本橋にて開催する。

大賞・環境大臣賞 株式会社キミカ
大賞・経済産業大臣賞 NGP 日本自動車リサイクル事業協同組合
大賞・農林水産大臣賞 不二製油グループ本社株式会社

第22回 受賞団体一覧

【大賞・環境大臣賞】
株式会社キミカ (中小企業部門)

海のゴミを資源に。漂着海藻から「アルギン酸」を生み出し、
サーキュラーエコノミーを80年間実践した企業


【大賞・経済産業大臣賞】
NGP 日本自動車リサイクル事業協同組合 (行政・民間団体部門)

自動車リサイクル部品でカーボンニュートラルに貢献
~削減効果の定量化と研究成果を活用した 普及・啓発~


【大賞・農林水産大臣賞】
不二製油グループ本社株式会社 (大企業部門)

持続可能な食料システムに貢献する地球環境および人権に配慮したパーム油のサステナブル調達


【大賞】
つくば市 (行政・民間団体部門)

公共施設における「価格と環境」への影響を考慮した持続可能な電力調達


【大賞】
住江織物株式会社 (プラスチック資源循環特別部門)

水平循環型タイルカーペットECOSシリーズ


【優秀賞】
エスビー食品株式会社 (大企業部門)

香辛料・パーム油・紙に関する「持続可能な原材料調達のコミットメント」の取組


【優秀賞】
株式会社スーパーホテル (大企業部門)

~お客様と共に取り組む脱炭素実現への取り組み~
公式HP予約による宿泊(エコ泊)のカーボン・オフセット


【優秀賞】
有限会社内藤鋼業 (中小企業部門)

地域共生型バイオマス発電プロジェクトによる脱炭素社会への挑戦と地域活性化


【優秀賞】
株式会社二川工業製作所 (中小企業部門)

中小企業の製造業が取り組むゼロカーボンチャレンジ


【優秀賞】
公立大学法人長野県立大学 (行政・民間団体部門)

持続可能な社会へ「攻める」大学 ~水力発電電力による、国公立大学で初の再エネ100%大学~


グリーン購入推進自治体特別賞は審査の結果、該当なし

■グリーン購入大賞

 グリーン購入大賞は、環境や社会に配慮した製品やサービスを環境負荷低減と社会的責任の遂行に努める 事業者から優先的に購入する「グリーン購入」の普及・拡大に取り組む団体を表彰する制度として、1998年 に創設された。
 SDGs(持続可能な開発目標)の目標の1つに位置付けられた目標12「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」を踏まえ、第 19 回(2018 年度)より、グリーン購入から持続可能な調達に審査、表彰する活動領域を広げ、従来のグリーン市場の拡大に貢献した取り組みに加えて、持続可能な調達(消費と生産)を通じて SDGs の目標達成に寄与する取り組みについても募集、審査を行った。
 特別部門では、第21回に引き続き、社会的課題となっているプラスチック問題の解決に寄与する取り組みを対象とした「プラスチック資源循環特別部門」を設けた。

■応募部門

大企業部門、中小企業部門、行政・民間団体部門、プラスチック資源循環特別部門

■審査方法・審査結果について

 5月12日~7月30日に募集を行い、全国より応募のあった取り組みについて、1次審査(8月26日)、本審査(9月29日)を経て受賞団体を選定した。
「大賞」は大企業部門:不二製油グループ本社株式会社、中小企業部門:株式会社キミカ、行政・民間団体部門:NGP日本自動車リサイクル事業協同組合、つくば市、プラスチック資源循環特別部門:住江織物株式会社の5団体、「優秀賞」は大企業部門:エスビー食品株式会社、株式会社スーパーホテル、中小企業部門:有限会社内藤鋼業、株式会社二川工業製作所、行政・民間団体部門:公立大学法人長野県立大学の5団体に決定致した。「環境大臣賞」は株式会社キミカ、「経済産業大臣賞」はNGP日本自動車リサイクル事業協同組合、 「農林水産大臣賞」は不二製油グループ本社株式会社への授与が決まった。

■審査総評

審査委員長 梅田 靖 GPN会長(東京大学大学院教授)

 数十年に一度であったはずの豪雨と熱波は、毎年のように繰り返され、私たちの生活や経済に深刻な影響 を与えています。一方で、プラスチック資源循環促進法の施行を前に、プラスチック製品のあり方や代替素材の活用に注目が集まり、NatureSBTやTNFD等、生物多様性の保全に向けた新たなイニシアティブが動き出す等、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが広がってきています。
 22回目となる今年度のグリーン購入大賞は、SDGsの目標達成に寄与する消費と生産の取り組みに加え、 昨年度設けた「プラスチック資源循環特別部門」を継続し、プラスチック問題の解決に寄与する取り組みを 表彰しました。近年の中では、最も多くの企業・地方自治体・団体から応募があり、その中からとりわけ優秀と判断した10団体を表彰しました。各部門を通じて多かったのは、再生可能エネルギーで発電された電力を調達する取り組みでした。従来、大手製造業が中心であった再エネ電力の調達ですが、サービス業や小売業に加え、中小企業や大学、地方自治体等、多様な業種・団体から応募がありました。これから再エネ電力の調達に取り組もうとする企業や団体には、自分たちとの類似点・共通点を見出し、参考にしていただきたい取り組みです。
 大企業部門では、サプライチェーンを通じた原材料の持続可能な調達の取り組みや、その取り組みを支えるサービス等が多く見られました。上流に位置する一次サプライヤーへ方針等を伝えるだけでなく、二次・三次と遡ったり、認証制度を活用したりする応募や、環境面への配慮に留まらず、労働者への適正な対価の支払い等の社会面 にも配慮した事例があり、取り組みの幅の広がりが感じられました。
 プラスチック資源循環特別部門の表彰 は1団体でしたが、プラスチック資源をつなぎ、循環させるための事業者のパートナーシップやシステムを構築しようとする試みが随所に見られました。今年度の受賞事例の成果だけでなく、成果に至るプロセスや関係者との連携の形等、成果に至るエッセンスを掴み取っていただき、さらなる優秀事例につながることを願っています。