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気候変動へのより強力な取り組みが求められるエコ・ファースト企業

 企業が環境大臣に対し、地球温暖化対策、廃棄物・リサイクル対策など、自らの環境保全に関する取組みを約束し、その企業が、環境の分野において「先進的、独自的でかつ業界をリードする事業活動」を行っている企業(業界における環境先進企業)であることを、環境大臣が認定するエコ・ファースト制度。認定された企業は、各業界における環境先進企業として様々な活動を展開している。2021年度には、新たに企業が認定を受けている。
ここではそれらを統括し、サポートしているエコ・ファースト推進協議会にクローズアップしてみた。


●オンラインインタビューに登場いただいた方
エコ・ファースト推進協議会 事務局長 樋口 正一郎 氏

多彩なジャンルに広がる認定企業

――エコ・ファースト推進協議会の今年度活動の話題を教えていただけますでしょうか。
樋口:毎年、全国の小・中学生を対象に環境に関する創作ことわざを募集する「エコとわざコンクール」を開催し、実施しています。今年もたくさんの作品が既に届いています。また昨年に続き、11月にはオンラインでシンポジウムを開催する予定ですので事務局としてもその準備を進めているところです。

――エコ・ファースト企業の認定企業は2010年9月制定に始まり、昨年10月には認定企業が50社となりました。エコ・ファースト推進協議会内ではどのような反響がありましたでしょうか。
樋口:楽天さんやネクシィーズグループさんのような時代の最先端を行く企業も認定され、企業の分野が多岐に広がった印象です。新規加盟各社の活動の方向性などは把握しきってはいませんが、今までとちがった新たしい取り組みをしていだただけるのではないかと期待しています。
 今年のシンポジウムでは、新規加盟の企業の皆様にその取り組内容などについて発表していただくことも考えています。シンポジウムは広く一般に公開し社会にも発信します。
 幅広い分野の企業が加盟することでエコ・ファースト企業としてのステータスがさらに高まり、そこに参加する企業が増え、なおかつ意欲だけではなく、気候変動に対して取り組みを強化していく企業が増えることを望んでいます。

様々に企業・地域のコラボレーション

――環境省は、地域循環共生圏の取り組みをオールジャパンで加速していますが、エコ・ファースト推進協議会としては、地域連携や環境コミュニケーションに対してどのような方針をお持ちでしょうか。
樋口:地域循環共生圏については環境省と何度も協議しています。以前より環境コミュニケーションという点において各企業は、地域の方々と積極的に行ってきました。たとえばユニーさんやキリンさんライオンさんは、各社がコラボレーションして地域の消費者の方々に対して環境配慮型の提供等の活動を行っています。
 地域連携という点においては、自治体との共同事業などそれぞれ各社が関わっておられると思います。当社のような建設業は、地域の自治体との連携が本来多くなる業種ですが、そこに「環境」というキーワードが加わった事業展開が求められる時代になってきていると思います。
エコ・ファースト企業としてゼネコンが6社加盟しています。6社で共同して気候変動対策を行い、社会にアピールしていく取り組みを今、進めているところです。具体的には環境配慮型の燃料を一緒に使用していくということで協議が進んでいます。

IPCC報告書の公表で目標値の修正を議論

――今回、公表されたIPPC第6次評価報告書では、さらに厳しい状況が報告されました。この報告はエコ・ファースト推進協議会の活動、あるいは認定企業にどのような影響はあるとお考えでしょうか。
樋口:IPCCの科学的根拠に基づいた分析により、「2021年から2040年の間に1.5℃上昇する。」というコメントは特に印象的です。今までとは違って、本当にそうなってしまうということがより科学的に説得力を持ったということになると思います。
 今年も気候災害が毎週のように起こり、多くの人が亡くなっていることを考えると気候変動の進み具合は想像以上に進んでいるというのは、多くの人が実感として持たれているのはないでしょうか。
戸田建設はSBT認証を受けており、現在は、2℃上昇を抑えることを目標としていますが、これを、1.5℃に抑える目標値に修正し、そのためにはどういった取り組みが必要になるか、という議論を早速スタートしたところです。今後も各企業と連携し、気候変動に対する強力な取り組みを進めていきたいと思っています。

インタビューページへのリンク

●佐藤工業株式会社

●株式会社島津製作所

●大東建託株式会社

●株式会社ネクシィーズグループ

●楽天株式会社